運動習慣は「何をやるか」が大切!自分に合わないエクササイズを続けるのはもったいない

「健康のために運動を始めました!」

これは、とても素晴らしいことです。

ウォーキング、ランニング、筋トレ、ヨガ、ピラティス、ストレッチ、スポーツなど、今はたくさんの運動があります。

ところが、ここで一つ考えてみてください。

その運動、本当にあなたの身体に合っていますか?

「テレビで紹介されていたから」

「友達がやっているから」

「痩せると聞いたから」

「有名なトレーナーがおすすめしていたから」

そんな理由だけで運動を選んでいないでしょうか?

運動は、やれば必ず同じ効果が出るわけではありません。

目的によって必要な運動は違います。

身体の状態によっても違います。

年齢や体力によっても違います。

そして何より、

続けられなければ、どんなに素晴らしい運動でも効果を生かしにくくなります。

今回は、

「自分に合った運動とは何なのか?」

を、身体の仕組みから考えてみましょう。


「運動すれば健康になる」は本当。でも、何でも同じではない

まず、運動そのものには大きなメリットがあります。

定期的な身体活動は、心肺機能、筋力、骨、睡眠、精神的な健康など、さまざまな面に良い影響を与えます。

さらに、脳の健康や認知機能、転倒リスクなどにも関係しています。CDCも、定期的な身体活動は心臓・血管、脳、骨、筋肉、睡眠など多方面の健康に役立つとしています。(疾病対策センター)

だから、

「運動をする」

こと自体は非常に大切です。

しかし、

「運動なら何でもいい」

という話になると、少し違ってきます。

例えば、

「マラソンを走れる身体を作りたい人」

と、

「膝の痛みを減らして歩けるようになりたい人」

では、必要な運動が同じでしょうか?

もちろん違います。


「目的」が違えば、選ぶ運動も変わる

運動を始める前に、一番最初に考えてほしいこと。

それは、

「私は何のために運動するのか?」

です。

例えば、

体力をつけたい

→ ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動

筋力をつけたい

→ スクワット、レジスタンス運動、筋力トレーニング

柔軟性を高めたい

→ ストレッチ、モビリティエクササイズ

姿勢や身体の使い方を改善したい

→ ピラティス、筋力トレーニング、身体のコントロールを重視した運動

転倒を予防したい

→ 筋力+バランス+歩行などの複合的な運動

ストレスを減らしたい

→ ウォーキング、軽い有酸素運動、ヨガなど、自分が心地よく続けられるもの

というように、目的によって選択肢が変わります。

WHOやCDCも、有酸素運動だけではなく、筋力強化や、特に高齢者ではバランスを含む複合的な身体活動を推奨しています。(疾病対策センター)


「痩せたいから走る」が合わない人もいる

例えば、

「痩せたいから毎日走っています」

という人がいるとします。

もちろんランニングは有効な運動の一つです。

しかし、

・膝が痛い
・股関節に違和感がある
・体重がかなり増えている
・長期間運動していなかった
・走ること自体が嫌い

という場合、

最初から毎日走ることが最適とは限りません。

ウォーキングから始める。

自転車を使う。

水中運動を選ぶ。

筋力トレーニングを組み合わせる。

など、別の方法もあります。

重要なのは、

「ランニングが良いか悪いか」ではありません。

その人の身体と目的に合っているかどうかです。


「きつい運動=効果が高い」ではない

これも非常に多い誤解です。

汗を大量にかく。

息が切れる。

筋肉痛になる。

翌日、身体が動かない。

こうなると、

「かなり効いた!」

と思ってしまいます。

もちろん、ある程度の負荷は必要です。

しかし、

負荷が高ければ高いほど良い
というわけではない。

ACSMの運動処方では、運動を考える際に、頻度(Frequency)、強度(Intensity)、時間(Time)、種類(Type)などを組み合わせて考える「FITT」の考え方が使われています。さらに、運動量や進め方も重要になります。(ACSM)

つまり、

「何をやるか」だけではなく「どれくらいやるか」も重要

なのです。


「毎日やらないと意味がない」は間違い

運動習慣を始めた人が、最初に頑張りすぎることがあります。

「今日から毎日1時間!」

「毎日10km歩く!」

「毎日筋トレ!」

最初はできても、数週間後には疲れてやめてしまう。

これではもったいありません。

現在の成人向けの一般的な身体活動の目安は、週150~300分程度の中強度有酸素運動、または週75~150分程度の高強度有酸素運動に加え、週2日以上の筋力強化です。(疾病対策センター)

しかも、

最初から完璧に達成する必要はありません。

CDCも「少しでも身体を動かすことは、まったく動かさないより良い」としています。(疾病対策センター)

だから、

10分歩く。

少しストレッチする。

階段を使う。

立って家事をする。

こうした小さな活動も積み重ねていくことが大切です。


「合わない運動」を続けると、何がもったいない?

ここが今回、一番伝えたいところです。

合わない運動を続けると、

① 時間がもったいない

せっかく30分運動しているのに、目的に対して効率が悪いかもしれません。

② 身体への負担がもったいない

自分の身体に合わない負荷を繰り返せば、痛みや疲労につながることがあります。

③ 継続できないのがもったいない

「運動=つらいもの」になれば、習慣化しにくくなります。

④ 本来の目的から遠ざかる

例えば、

「姿勢を良くしたい」

のに、ひたすら有酸素運動だけをしていても、目的に対して十分とは限りません。

運動は、

目的と手段が一致しているか

が大切なのです。


50代からは「体力」だけで運動を選ばない

50代以降になると、運動選びで考えたいことが増えてきます。

若い頃と同じように、

「できるからやる」

だけではなく、

「今の身体に必要だからやる」

という考え方です。

例えば、

昔は走るのが得意だった。

でも今は膝に違和感がある。

それなら、

「昔と同じ距離を走る」

ことにこだわる必要はありません。

ウォーキングに変える。

自転車に変える。

筋力トレーニングを加える。

走る量を減らす。

身体の状態に合わせて変更すればいいのです。


「柔らかくなりたい人」が筋トレを避ける必要はない

「身体が硬いから、筋トレよりストレッチ」

という人もいます。

しかし、身体の機能を考えると、

柔軟性だけがあればいいわけではありません。

身体を支える筋力。

関節を安定させる能力。

バランス能力。

身体をコントロールする能力。

これらも重要です。

特に年齢を重ねると、筋肉量や筋力を維持することは日常生活の自立にも関係します。

CDCも、筋力強化運動は筋肉量・筋力の維持に重要であり、日常生活の機能を支えるとしています。(疾病対策センター)

だから、

「身体が硬い=ストレッチだけ」

ではなく、

柔軟性+筋力+コントロール

という視点が大切です。


「筋トレだけ」でも足りない

反対に、

「筋肉をつけたいから筋トレだけ」

というのも一つの考え方に偏っています。

健康維持を目的とするなら、

有酸素運動。

筋力トレーニング。

柔軟性。

バランス。

日常生活での活動。

これらを組み合わせることができます。

特に高齢者では、有酸素・筋力・バランスなどを組み合わせた複合的な運動が推奨されています。(疾病対策センター)


「楽しい」は、実はかなり重要

運動を選ぶとき、

「科学的に正しいか?」

ばかり考えてしまう人がいます。

もちろん科学的根拠は重要です。

しかし、もう一つ重要なのが、

「続けたいと思えるか?」

です。

ウォーキングが好きなら歩けばいい。

ピラティスが好きならピラティスをすればいい。

ダンスが好きならダンスでもいい。

水泳が好きなら水泳でもいい。

運動の種類を選ぶときは、

自分が楽しめること

も大切な条件になります。

ACSMの2025年の高齢者の認知機能と運動に関する資料でも、さまざまな種類の活動を取り入れ、本人が楽しめる活動を行うことが示されています。(ACSM)


自分に合った運動を選ぶ「5つの質問」

何を始めればいいか分からない人は、まず次の5つを考えてみてください。

① 何のために運動する?

健康維持?

ダイエット?

筋力アップ?

姿勢改善?

痛みの改善?

体力向上?

目的を明確にします。

② 今の身体はどういう状態?

痛みはないか。

関節は動くか。

筋力はどうか。

疲れやすくないか。

バランスはどうか。

③ 今の体力で無理なくできる?

「できる」と「適切」は同じではありません。

④ 続けられる?

週1回しかできない運動より、週3回続けられる運動の方が、自分にとって現実的な場合があります。

⑤ 運動後の身体はどうなる?

ここは非常に大切です。

運動後、

「気持ちいい」

「少し疲れたけど翌日には戻る」

なら、今の自分には合っている可能性があります。

反対に、

「毎回痛くなる」

「何日も疲労が残る」

「運動するほど症状が悪化する」

なら、一度見直してみる価値があります。


「運動後の身体」をチェックしてみよう

おすすめなのが、

運動した直後だけではなく、翌日の身体を見ること。

例えば、

良い反応

身体が軽い
気分が良い
軽い疲労感
睡眠が良くなった
日常生活が楽

見直したい反応

関節痛が強くなる
いつも同じ場所が痛む
強い疲労が何日も残る
睡眠が悪化する
日常生活に支障が出る

もちろん、運動による筋肉痛などが起こることはあります。

しかし、

「毎回痛いのに、健康のためだから我慢する」

という状態なら、一度運動の種類や量を見直してみましょう。


「正しい運動」より「自分に合った運動」

ここまで読んで、

「じゃあ結局、何をやればいいの?」

と思うかもしれません。

答えは、

人によって違います。

ここが運動指導の難しいところであり、面白いところでもあります。

同じ50代でも


運動経験が豊富な人
10年間ほとんど運動していない人
膝に痛みがある人
腰に問題がある人
体力がある人
筋力が低下している人

では、同じプログラムが合うとは限りません。

だからこそ、

「年齢」だけで運動を決めない。

身体の状態と目的を見て選ぶ。

これが大切です。


そして、運動は「アップデート」していい

一度決めた運動を、一生続ける必要はありません。

20代の自分に合っていた運動。

40代の自分に合っていた運動。

60代の自分に合う運動。

違って当然です。

身体は変化します。

生活も変化します。

目的も変化します。

だから、

運動メニューも変えていい。

これは非常に重要な考え方です。


まとめ|「運動する」から「自分に合う運動をする」へ

運動は健康のために非常に重要です。

しかし、

「運動なら何でもいい」

というわけではありません。

大切なのは、

目的
身体の状態
運動強度
頻度
継続しやすさ
楽しさ

を考えること。

そして、

「運動をしたら身体がどう変化したか?」

を確認しながら調整することです。

合わない運動を頑張り続ける必要はありません。

むしろ、

自分に合わない運動を頑張り続けるのは、時間も体力ももったいない。

運動の目的は、

「誰よりも頑張ること」

ではありません。

自分の身体を、今より少し良い方向へ持っていくこと。

そのために、

「何をするか」

「どれくらいやるか」

「どう続けるか」

を考えてみましょう。

50代からの運動は、

頑張る運動から、選ぶ運動へ。

これが、長く身体と付き合っていくための大切な考え方なのかもしれません。

Ryuヒーリングでは一人ひとりをしっかり評価して

その人の目標に合わせてメニューを組み立てていきます。


目次

参考文献・参考資料

  1. World Health Organization(WHO)
    Physical activity – recommendations for adults (世界保健機関)
  2. Centers for Disease Control and Prevention(CDC)
    Adult Activity: An Overview (疾病対策センター)
  3. Centers for Disease Control and Prevention(CDC)
    Health Benefits of Physical Activity for Adults (疾病対策センター)
  4. American College of Sports Medicine(ACSM)
    ACSM’s Exercise Testing and Prescription — FITTを含む運動処方の基本 (ACSM)
  5. American College of Sports Medicine(ACSM)
    Principles for Prescribing Exercise for Cognition in Older Adults (ACSM)
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この記事を書いた人

延べ3,000名以上に施術
セラピスト・院長としてのスローガン:
「この出会いが、人生の宝になる」

【所有資格】
・理学療法士
・国際中医師
・薬膳アドバイザー
・社会福祉主事
・PHIピラティスインストラクター
・Ryuヒーリング代表
・(株)まごの手 理事
・佐野市 生き生き高齢課講師

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